こころ、ゆたかに

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君と見る千の夢

昨年買ってすぐ見たんですが、違う感情が溢れてなかなか感想を書けずにいました。

最近また春也くんを見たくなって、思いのままですが舞台DVD『君と見る千の夢』の感想を書いておきます。

 

見事な密集したバサバサのまつ毛…きゃーー!

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一昨年父が急逝した時、いて当たり前だって思っていた人が急にいなくなって、すごく悲しいのに思いきり泣けなくて涙が出なくて、胸にずっと何かつかえていて。そんな時に、ブログタイトル『夜空への手紙』にも書きましたがこの曲を何回も聴いて助けてもらい相葉くんに救われた気がしました。

 

年は越せないと余命を伝えられたのがまだ残暑が厳しい頃でまさかその日の夜に容態が悪くなるなんて思わず、母に「帰っていいよ今夜は代わるから」って言ったんです。あの時無理に代わらなかったら母は父を看取ることが出来たのにってずっと思っていました。まだほんの少しだけ温もりがある父に「何も言わないでいっちゃうのね」ってかけた母の言葉が辛くて。もちろん母は何も思ってないと思います。でもいつも一緒で楽しいことも辛いことも乗り越えてきた二人だからって思うと堂々巡り。改めてありがとう相葉くん。相葉くんの曲で気持ちが楽になりました。

 

人の命を扱うものを見るとその時の事を思い出すんですよね。苦しんでいる姿とか心電図のアラーム音とか病室がバタバタする感じとか。だからこの舞台で「なくしてから気づく」って先生の言葉や、お父さんの「寿命ってものはあるんだ」ってセリフも痛いくらいわかりました。

 

 

 

この舞台の客席ってすごく近いですね!客席確保で増席してるから近くで見た方はドキドキだろうなー。相葉くんのビジュアルがすごく若いというか幼い気がします。サラサラストレートで茶髪で前下りのショートボブっぽい髪型に細身のカジュアルな衣装でとにかく手足が長くて!!やっぱりジェンヌさんぽい。太鼓の練習をするその全身の天然の美が映像からでも簡単に推察できます。多分まだ身体のラインが若いというか細くて薄い。今もすごーーく細いけど筋トレで程よくしなやかな筋肉がついているから印象が違いますね。髪型も衣装も背景も御前様と真逆なので「あ、これが相葉雅紀なのか」っていう等身大感。そして健全な青年感。正宗くんや健太くんより春也くんがより等身大に見えるのはお父さんとの関係性が強いからかもしれません。

 

ピアニストって役もいい。ピアノを弾くところはないけど設定がいい。相葉くんとピアノってイメージが湧く。父と息子のすれ違いが上手く演出されていて頑固な父親役の田山さんに相葉くんの春也くん像が上手く引っ張られている様に感じました。弟子にしてほしいと思いをぶつけるシーンは単なる親子の口喧嘩ではないし二人の意見が衝突するシーンに引き込まれました。私が1番好き場面はここかなぁ。

 

お父さんはピアノから逃げたことが許せないんだよね。一度逃げるとまた必ず逃げ道をつくるでしょ。今度は逃げないっていう約束なんてあてにならないのもわかるしお母さんの思いもある。でもお父さんは春也くんのピアノが好きだったんだよね。自慢の息子だったと思うよ。下駄職人になっても器用だから上手くいくのは分かってるし、顔もいいし笑顔もいいし俺の若い頃に似てるって思ってると思うの。でも自分でぶつかって自分で感じなかったら良い未来はないということもお父さんはわかっているからね。そこへ衝突する春也くんが熱くもなく冷めてるわけでもなく自分の思いを伝えようとする。ある意味そのスマートさが受け入れられない今ドキの男子。父も息子も頑固(笑)

 

その春也くんにはみっちゃんというものすごく綺麗な彼女がいます。まず並びが良い!二人がすごくお似合いなの。並びって本当に大事!袋とお茶を並べてあははうふふって…どんだけ幸せなのだろう。あまりに可愛くて笑ってしまいました。結婚したらどっちが綺麗に洗濯物を干せているか比べてこの干し方は違うとか、えー逆でしょーって言って朝から楽しいんだろうなー。つまり幸せって探さなくても普通に転がっているのかもね。

 

公園でみっちゃんと抱き合うシーン。キスしないのかー。でもみっちゃんを、何て言うんだろう、こう…ガバッと肩の上から肩甲骨あたりまで長い腕でギュッと抱きしめる春也くんは相葉くんだったよ!相葉くんの抱きしめ方ってこんな感じなのねーってヘラヘラニヤニヤして見てた(笑)。あんな風に抱きしめたら体の厚さがわかってしまうよね。こわいこわい。みっちゃんみたいにスタイルいい子じゃないと細っそい春也くんにすっぽり包まれない。この場面も大好きで何回も見てしまった。やっぱり男役トップと娘役トップみたいだよ!宝塚の現代劇も大好きだったなぁ。

 

ひとことで言うならみっちゃんはスマートに生きようとする春也くんを認めて明るく優しく包み込む女性。みっちゃんも抱えているものがあったからピアノに対して頑固な春也くんにきちんと区切りをつけさせようとしたのかも。一緒にね。願わくばハッピーエンドがわかる形で終わって幸せになってほしかったけど相葉くん恋愛ものも良いよ、うん。光くんは真っ直ぐな恋愛だったけど春也くんはナチュラルな恋愛だから素が見えて良い。お芝居も舞台ならではのメリハリがあって良かったなぁ。たまにアイドルだなぁとわかる表情やシルエットもいいの。自然なところも怒るところも号泣するところも全ていい。そして間奏のピアノもいい。買って見て、もう一度見て、本当に良かった。

 

舞台の冒頭はブレーキ音から始まります。事故で昏睡状態となった春也くんが幽体離脱して回想するんですが話の組み立てもおもしろくてストーリーも好き。みっちゃんは幽体離脱している春也くんに夢を託してひとりで旅立ちます。その別れるシーンが切なくて切なくて。ここも大好きなシーン。境界線の階段で手を取り合って春也くんはみっちゃんの千の夢を拾って受け取って自分の体に戻るシーン。涙が止まらなかったです。

 

最後、おかえりってやっと言ってくれたね。ピアノを続けることを決めた春也くんが今までみたいに弾けるようになるには厳しいリハビリを乗り越えなくてはいけない。そこにはみっちゃんはいないけどみっちゃんのエッセンスが必要だからずっとお母さんと一緒に見守っていてくれるはず。頑張って春也くん!!